新常識

「産後リカバリー期」の心構え

前回は「産後リカバリー期」がどのようなものなのかをご紹介しました。今回は、この「産後リカバリー期」という大事な時期を乗り切るためにどんなことが必要なのか、気を付けるべきポイントや心構えを見ていきましょう。

産後リカバリー期の心構え

産後リカバリー期を乗り越えるためには、心身の健康を保ちながら、新生活に適応していくことが重要です。
以下に、産後リカバリー期の心構えを紹介します。

自分自身に優しく

産後は体も心も敏感な時期。自分自身に優しく、回復を第一に考える姿勢が重要です。完璧を目指すあまり、自分自身を追い詰めないようにしましょう。SNSなどで見る理想の母親像に圧倒されないよう、自分のペースで過ごして大丈夫。実際の育児は大変な面も多く、それが普通です。

サポートを受け入れる

産後のリカバリーは一人で行うものではありません。家族や友人からのサポートを積極的に受け入れましょう。自分では気づかないうちに、がんばりすぎてしまうこともあります。必要ならばプロフェッショナルなサポートを求めることも大切です。一人で全てを抱え込まないようにしましょう。

感情の波に注意する

産後はホルモンバランスの変化や睡眠不足などから、「産後うつ」や「イライラ」といった感情の波に見舞われることがあります。異常を感じたら、早めに専門家に相談しましょう。

過ごし方のポイント

産後ママの身体と心の健康を守るためには、出産直後だけでなくその後も続いていく産後リカバリー期の過ごし方がとても重要になります。以下で、そのポイントをまとめました。

とにかく体力回復に努める

出産は身体に大きな負担をかけるため、産後は十分な休息が必要です。特に初期の数週間は、赤ちゃんの睡眠サイクルに合わせながらも、昼夜問わず休息を取ることが大切です。
良質な睡眠を取ることを心がけ、できれば昼間に短時間でも休息をとるようにしましょう。

栄養バランスの良い食事

バランスの取れた栄養が、産後の回復に繋がり、さらに授乳・赤ちゃんの健康にも影響します。特に鉄分、カルシウム、ビタミン、良質のタンパク質を含む食事を心がけましょう。

水分補給を忘れずに

授乳中は特に水分が必要になります。十分な水分補給を心がけ、脱水状態にならないようにしましょう。

適度な運動を取り入れる

産後すぐの激しい運動は避けるべきですが、体調が許す範囲で軽いウォーキングなど、段階を踏んで運動を取り入れると、体力回復やストレス解消に繋がり、気分もリフレッシュできます。

産後の検診を受ける

産後6~8週間には産後検診があります。この検診では身体の回復状況をチェックするほか、精神的な健康状態も確認されます。必ず受診しましょう。

コミュニケーションの場を持つ

他のママとの交流や情報交換は、孤独感の解消や有益な情報を得る機会になります。オンライン上のコミュニティも活用しましょう。

自分時間を作る

短時間でも良いので、読書や趣味の時間を持つことで精神的なリフレッシュが可能です。家族や預かり施設の利用など周りのサポートを活用し、一人の時間を捻出しましょう。

これらのポイントを心がけることで、産後リカバリー期間をより健やかに過ごすことができるでしょう。

役立つサポート体制

不安の多い産後リカバリー期ですが、役立つサポートは沢山あります。以下でサポート内容をいくつかご紹介します。

産後ケアプログラム

産後ケアプログラムは、専門家による産後のケアやサポートを提供するプログラムです。母子ともに健康をサポートし、心身の回復を促進します。産後の身体に合わせたエクササイズやヨガなど、身体を動かすものや、対話や講座などで心身のサポートをするものがあります。

産後ケア施設

産後ケア施設にはデイサービス(通所)型やショートステイ(宿泊)型があり、全国で広がりつつある施設です。産後ケア施設では、専門のスタッフが母親のケアや赤ちゃんの世話をサポートし、安心してリカバリーに専念できる環境を提供しています。

家族や友人のサポート

家族や友人からの支援はとても重要です。日常生活のサポートや赤ちゃんの世話を手伝ってもらうことで、産後ママの負担を軽減できます。

心のケア

産後は精神的な負担も大きいものです。心理カウンセリングや産後うつのサポートグループなどが役立ちます。カウンセリングはハードルが高く感じられるかもしれませんが、オンラインで気軽にできるサービスもたくさんあります。抱え込まずに第三者に頼ることも必要です。

栄養指導

適切な栄養摂取は母子の健康に重要です。各自治体や小児科を通じて、栄養士や管理栄養士からの指導を受けることができます。

自分の住んでいる地域や、よく利用するコミュニティなどで活用できそうなサポートがないか、産前から調べてみたり、出産後も少しずつ情報収集をしてみたりすると良いかもしれません。これらのサポート体制を活用することで、産後リカバリー期も力が入りすぎることなく、過ごせます。

まとめ

産後リカバリー期は、新しい生活の始まりであり、多くの挑戦が伴います。しかし、きちんとした情報やサポートを知っておいたり、準備したりすることで、この貴重な時期を乗り越え、より豊かな家庭生活を築くことができます。自分自身と赤ちゃんのためにも、無理せず、一歩ずつ前に進んでいきましょう。

産後リカバリープロジェクトでは、引き続き新たな家族を迎えたママとその家族が元気で幸せに過ごせるよう、心と体の回復のサポートや、正しいヘルスケア知識の普及に取り組んでいきます。