産後リカバリープロジェクトとは
「産後」を一つのターニングポイントとして正しいヘルスケア知識を広げ、
日本人の生涯にわたる健康や QOL、
子どもの健全な成長をもっと社会で応援していくために立ち上がった企業間プロジェクトです。
「産前産後10の重要課題」では調査結果や専門家の意見をもとに
毎年世の中にもっと知ってほしいアジェンダとして策定してきました。
その中でも、今年は産後期の休養に改めて着目。
休養は、母親の心身の回復を助け、家族全体の健やかな生活を支えるために欠かせないものです。
決して贅沢ではなく、社会として確保していくべき基盤として、
より多くの女性に、安心して休養を取れる環境や選択肢を届けたいと考えています。
産後ママにおける「元気な人」が、
2024年から比較して18.0%減っています。
その背景には、睡眠時間の相対的な減少も。世の中的な出社回帰などの流れや、物価高による家計圧迫、それによる労働負担の増加など、様々な背景が考えられます。
DATA
①元気な人が6.8%、2024年から比較して-18.0% ※1
②5時間未満睡眠の人は、2024年比22.1%増
一般女性と比較して、1.94倍 ※1
社会の中で感じる孤独 、収入面などによる将来への不安、核家族化による夫婦2人のみでの育児疲れを感じる(20代男性)
体の痛みを抱える方が一般女性に比べ1.48倍に。
睡眠不足による疲労感だけでなく、通常に比べて痛みを多く感じる状態にあることも、健やかに過ごすことのハードルになっています。
DATA
①身体の痛み 産後期:28.2%、一般:19.1% ※1
②632件中、85件の痛みに関する訴え ※2
▼内容の一部
・産後すぐの時期の会陰切開や帝王切開の傷の痛み
・授乳や抱っこによる腰痛や肩こり
・乳腺炎や授乳による乳房の痛み
・骨盤の歪みによる痛み
・全身的な痛みや疲労
とにかく痛い。緊急帝王切開だったのもあり、産後は本当に痛みとの戦いでした。お腹痛い、腰ぐらぐら、授乳痛い…どこもかしこも痛かった泣 トイレも辛かった…。(30代女性)
産後すぐの座るの痛い問題…しょうがないけどどうにかならないかな。(30代女性)
自分は価値の無い人間だと感じてしまう方が産後期 高ストレス者で72.4%に。
社会との接点喪失による孤立感や仕事や社会的役割の喪失による自己価値の低下、母親という新しい役割への適応の難しさなど、多くの役割の変化から、適応が難しくなってしまうことがあります。
DATA
①自分は価値の無い人間だと感じてしまう 産後期 高ストレス者:72.4%、全体:38.6% ※1
②産後期 高ストレス者:27.8%、予備軍含めると57.8% ※1
632件中、95件のアイデンティティの揺らぎに関する訴え ※2
▼内容の一部
・社会との接点喪失による孤立感
・仕事や社会的役割の喪失による自己価値の低下
・母親という新しい役割への適応の難しさ
出産後は、初めての育児に幸せも感じていましたが、孤独や社会に取り残された気持ちにもなったりいろいろでした。
子供の成長はうれしくて、かわいくて、幸せな気持ちにもなれましたが、大変だったり自分の時間がなかったりもしてます。(40代女性)
自由時間1時間未満が産後期で68.5%にものぼります。
自分のための時間が確保できない精神的ストレスや育児による時間的拘束から自身の休息も十分に取れていない現状があります。
DATA
①自由時間1時間未満が、マタニティー期で54.5%、
産後期になるとさらに増加して68.5%。 ※3
②632件中、160件の時間に関する訴え ※2
▼内容の一部
・睡眠の質と量の両面での不足
・自分のための時間が確保できない精神的ストレス
・24時間常に気を張っている状態による疲労
・育児による時間的拘束と自由度の喪失
・家事・育児・休息のバランスが取れない
自分のことをかまう時間を取れなかった(気持ち的にも時間的にも)。(40代女性)
心身の不調が一気に到来する感じだが、自身のケアに費やす時間が皆無。 産後、周囲は祝福ムードの声掛けをしてくれたが、自身は身体的な疲れと不調でしんどい本音を理解してもらえず、余計精神的に辛かった。(40代女性)
産後期、自宅・職場での協力体制に70.2%の方が不満。
背景には、最も必要な時期に手続きできない「タイミングの問題」、外出困難や地域格差・夜間休日不足などの「アクセシビリティの問題」、ニーズとサービスの不一致による「マッチングの問題」があり、必要な支援に行き着けない状況を生んでいます。
DATA
産後期、未就学期、キャリア再開期においては、約7割が協力体制に不満を感じている。 ※3
632件中、140件のサポート体制に関する訴え ※2
1.タイミングの問題
最も支援が必要な時期に手続きする余裕がない
事前準備が必要なサービスを産後に新規で利用開始することが困難
緊急時の即時対応ができない
2.アクセシビリティの問題
外出自体が困難な時期のサービス利用
オンラインでの手続きが限定的
地域による利用可能サービスの格差
夜間・休日のサービス不足
3.マッチングの問題
必要なサービスと提供されているサービスのミスマッチ
利用可能な時間帯と必要な時間帯のずれ
サービス内容が実際のニーズに合っていない
産前産後の不満の39.4%が周囲のサポート不足/プレッシャーに関する不満
産前産後の不満の37.5%が育休などの支援の制度に対する不満
眠れない、四六時中休めない状況で、どんなサポートがあれば産後の本人にとってよいのか、自分でもわからない。
産前は産科の助産師指導や周囲のサポートも手厚くありがたい。サポート過多なくらい。
それに比べ、産後は急に孤独になる感じがある。(40代女性)
筋力低下を感じる方が、一般女性と比較して1.22倍になる、
また、 運動を「全くしなかった」割合は、全体で57.4%、産後期で63.1%と産後に 運動習慣が大きく減ることが明らかになった。
その後、未就学児期は64.8%、キャリア再開期は61.3%と、運動習慣の改善は遅く、出産を機に運動習慣がなくなった(減った)人も多いと予想される。
DATA
筋力低下を感じる:54.7%、一般女性と比較して1.22倍 ※3
運動を「全くしなかった」割合は、
女性全体:57.4%
産後期:63.1%
未就学児期:64.8%
キャリア再開期:61.3% ※3
体力の低下が激しく、寝不足もあり、常に体調が悪かった。仕事も家事も育児も半端で、全方位に焦るような申し訳ないような気持だった。(40代女性)
痩せたいし、肩こりを解消したいので運動するタイプのダイエットがしたいのだが、時間が確保できない。自宅保育をしている人向けの親子運動ができる場が欲しい。(30代女性)
産後における休養タイプに関しては、特に娯楽時間の減少が顕著。移動や外出が難しいため、従来の趣味・遊びを継続できなかったり、「子どもを優先すべき」という無意識のプレッシャーによって、意図的な休養が難しくなっている。
DATA
一般女性と比較して
娯楽時間:0.77倍
休息・くつろぎ時間(睡眠時間以外):0.85倍
転換時間0.91倍 ※1
休めない意識:58.6%、一般女性と比較して1.52倍 ※1
気持ちの浮き沈みが激しい、
体力が産前に比べて落ちている、
自分の時間が取れずリフレッシュできない、
自分の時間を貰えると嬉しい反面罪悪感がある(20代女性)
e-SPORTSをする、AI搭載の家電を使用する、低周波治療器を使う、リカバリーウェア(疲労回復)を着る、寝心地の良いマットレスを使用する、エアコン、空気清浄機を使う、ヘアケア(頭皮ケア)をする、温感グッズを利用する など
テクノロジーを駆使したリカバリー行動が産後女性は一般女性に比べ1.4倍に
DATA
2024年のベビー関連ビジネスの市場規模は前年比1.2%増の4兆4,518億円 ※5
Baby-Techの利用率は子どもを一人以上いる方で半数近く。(子どもの数が一人の方における利用率 49.5%)※6
ワンオペ育児辛い。辛くなったらすぐ家に駆けつけてくれて、子供を見てくれるようなサービスが欲しい。人間じゃなくてもいいのでアンドロイド開発してください…。
(20代女性)
産後期の気が張り詰めた状態で、思考力も低下。さらに不安をスマホで調べすぎてしまうことで、「頭がすっきりしない」症状は一般女性と比べて2.96倍に
DATA ※1
ファクト① 気がはりつめている
ファクト② 思考力が低下している
ファクト③ 頭がすっきりしない(直近1年以内)
ミルクを飲まない、おしりかぶれ、寝すぎてて大丈夫か?など、全てが不安でずっとそういうことの調べものをしていた。タスクをこなすことに精一杯で楽しいという感情はほとんどなかったと思う。調べものをする時間、自分が休むのが正解だったと今は思うが、当時は精神的に追い込まれていた。(40代女性)
一人目の子供の時は、自分の育児が合っているのか分からず(正解が何かが分からない)、ネットで調べすぎてしまい、少しでも病気や発育不全に当てはまる事象があると不安になっていた。
今思うと、あんな気持ちになることなく、おおらかにしていればよかったと思うが、当時は目を離したり予兆を見逃したら取返しがつかないことが起こるのでは、という恐怖心が根底にあったのだと思う。
子供はある程度丈夫にできているから必要以上に不安になることはないと、同じ状況の人がいたら伝えてあげたい。(30代女性)
産後の不満の約1割が産後の体型・体質の変化に惑わされるという悩み
DATA
体重の悩みがある 一般女性:34.5%、産後女性:49.1% ※1
産後の不満 トライブの一つに 産後の体型変化に対する悩みや対策が語られる(90件) ※4
産後割と体重は簡単に落ちるが、体型は本当に戻らない…授乳クッションとか円座クッションなどの産後使う頻度の高いアイテムに体型を戻す手助けをする機能があったら助かる
産後も若々しく美容を楽しめる余裕を世の中が作って欲しい。体の歪みや疲れをとる整体やエステなど自治体とかがサービスしてくれたらいいのに
当プロジェクトは、出産直後から心身ともに多忙な
「産後のお母さん」の疲労を改善するために、
お母さん自身が自分の心と体をいたわり、支える家族や周囲の人、
社会がお母さんの疲労に目を向けるきっかけの日となるよう、
10月10日を「産後リカバリーの日」としました。
日付は妊娠期間をいう言葉「十月十日(とつきとおか)」に
由来したもの。「妊娠から出産までと同じくらいの産後期間、
心と体のリカバリーも大切にしてほしい」との思いを込めています。
「産後」を一つのターニングポイントとして
正しいヘルスケア知識を広げ、日本人の生涯にわたる健康や QOL、
子どもの健全な成長をもっと社会で応援していくために
「産後リカバリープロジェクト」を立ち上げました。
一般社団法人日本リカバリー協会
/株式会社ベネクス
/タカラベルモント株式会社
/株式会社大広
(大広フェムテック・フェムケアラボ)
/塩野義製薬株式会社
/アサヒ飲料株式会社
/株式会社ビ・メーク
/日本トイザらス株式会社
/株式会社CoNCa
(2025年10月10日現在)
スマイルベビー 柳井めぐみ /ネムリノチカラ ヨシダヨウコ /一般社団法人ヨガセラピスト協会 二ノ宮な奈 /歯科衛生士 石丸ゆき江 /帝王切開カウンセラー 細田恭子 /千葉工業大学 野村由実 /みそら保育園 伊藤幸恵 /東京医療保健大学 米山万里枝
(順不同)
神奈川県未病産業研究会
新規ご加入企業・団体様も募集しております。
ご相談は下記までご連絡ください。
産後は睡眠時間が削られるのが一番の課題だと思います。
睡眠不足で心身の回復がなかなかできないのがつらく感じました。(50代女性)